ホルモン補充療法によって卵巣がんリスクが高まる
ホルモン補充療法を受けた女性では、毎年約8,300人に1人がホルモン補充療法を受けていない女性より多く卵巣がんを新たに発症することが報告されました(米国医学雑誌2009年7月15日号)。
これはデンマークで実施された約91万人の女性に関する全国調査で判明しました。卵巣がん140症例のうち約5%がホルモン補充療法で発症したと見積もられています。
ホルモン補充療法(エストロゲン+プロゲスティン)は乳がんのリスクを高めることが報告されています。また、エストロゲン単独療法、併用療法で卵巣がんのリスクが高まることも報告されており、今回の結果もそれを追認したかたちとなりました。
約8,300人に1人あるいは、ホルモン補充療法で約5%が卵巣がんを発症したという事実が真実とすると、更年期障害や自律神経失調症でホルモン補充療法をする場合、利益があるのかどうか。卵巣がんは発見が遅いため予後が悪い疾患ですから、確率が低いからといって安易に、ホルモン補充療法を勧めることは危険です。
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