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再発卵巣がんにtopotecan+ドセタキセル併用が有望

再発性・転移性の子宮内膜がんおよび卵巣がんに対するtopotecanとドセタキセルの2剤併用療法が、臨床的に有用なだけでなく、忍容性も良好であるとする知見をGynecologic Oncology(2009; 113: 327-330)に発表しました。

再発性・転移性の子宮内膜がんと卵巣がんは治療が困難で、既に他の組織に転移し、すでに化学療法に対する耐性があります。

以前の臨床試験では、topotecanとドセタキセルは再発性婦人科がんに対してそれぞれ有効性が示されています。アルバートアインシュタイン医科大学が実施した第II相 試験(比較的少数の患者さんでの効果判定試験)は、婦人科がんに対してこれら2剤を併用した初めての試験で、再発性の子宮がん、卵巣がん、卵管がんまたは腹膜がん患者24例を対象としました。

被験者は、試験初日およびその後3週間にわたり週1回、topotecanとドセタキセルの併用治療を受け、1週間の休薬期間が設けられました。その後、被験者は最終的にこのような治療を6サイクル受けました。

過去の臨床試験と比べて、今回は既に大量の化学療法薬を投与されていた患者さんの比率がきわめて高かったものの、患者の約40%に臨床上の便益が認められました。併用治療による全生存率(中央値18.5か月)は、これらの薬剤の単剤治療の効果を評価した過去の第II相試験の生存率よりも高い結果でした。さらに類似の試験で観察された毒性と比べて、薬剤併用による副作用はきわめて少なく、比較的軽度であったといいます。

以上の結果からより大規模な臨床試験(第III相試験)を行う意義があるという主張をしています。通常は、抗がん剤併用で毒性は増しますので(効果の代償として)、副作用が軽度であるということは不思議ですね。生存率が大幅に上昇するわけではありませんので、あまり期待のもてない従来の治療法といえるでしょう。


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