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再発卵巣がんに対する早期化学療法は無効

完全寛解に至った卵巣がん患者さんに対して、再発卵巣がんに対する化学療法はCA125値の上昇が見られた時点で早期に開始するのではなく、臨床症状が現れてから開始する方が生活の質(QOLが良好であるとの研究論文が報告されました(Lancet(2010; 376: 1155-1163)。

卵巣がんの細胞が産生するCA125蛋白質の血中濃度は、卵巣がん再発の症状・徴候を示す数カ月前から上昇することが多いとされています。しかし、CA125検査の定期実施の是非や2次化学療法の開始時期などについては、医師によって見解が大きく異なっています。

今回の研究では、英国医学研究評議会(MRC)のOV05試験と欧州がん研究治療組織(EORTC)55955試験では、CA125値の上昇が見られた時点で早期治療を行う方法と、再発の症状が現れるまで治療を行わない方法の有益性を比較しました。

完全寛解に至った卵巣がん患者さん1,442例が試験に参加し、3カ月間隔で臨床検査とCA125血液検査を受けました。このうち卵巣がん患者さん529例を正常値上限の2倍を超えるCA125値が認められた時点で早期化学療法群(265例、治療を直ちに開始)または再発時化学療法群(264例、再発の症状・徴候が認められた時 点で開始)のいずれかにランダムに割り付けされました。

56.9カ月間(中央値)の追跡後、総生存率に群間差はなかった。卵巣がん患者さん370例が死亡し、うち186例が早期化学療法群、184例が再発時化学療法群でした。

ランダム化後の生存期間の中央値は、早期化学療法群で25.7カ月、再発時化学療法群で27.1カ月でした。QOLは早期治療群で低下が早く、早期治療により役割、感情、社会活動と疲労の点で有意な悪化が見られました。

CA125値の上昇に基づく早期治療が有益であることを示すエビデンスはなく、化学療法の開始時期を遅らせてもQOLに差がないことが確認されました。このことは予後が悪いとされている卵巣がんの治療に関して私たちが知っておく必要があります。


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