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卵巣癌のハイリスク患者の特定、早期発見に有用な抗体が明らかに

卵巣癌は、大多数は疾患が進行した段階で診断されており、早期に検出されれば5年生存率は94%といわれています。現在、診断には経膣超音波法と卵巣癌マーカーのCA-125血液検査が併用されていますが、卵巣癌の死亡リスク低減にはつながっていません。つまり、卵巣ガンの早期発見の手立てがない状態です。

今回、将来的に卵巣癌(がん)リスクの高い女性の特定、あるいは卵巣癌の早期診断に役立つ可能性のある抗体(メソテリンmesothelin)が明らかにされました(Cancer Epidemiology, Biomarkers & Prevention, Aug. 16, 2011.online)。

メソテリンは正常組織にも認められますが、卵巣癌細胞で多量に認められます。今回の研究では、卵巣癌リスクの高い不妊女性ではメソテリン抗体レベルがより高く、卵巣癌患者でもこの抗体レベルが高いことが判明しました。

今回の研究では、不妊症女性109例、卵巣癌患者28例、良性の卵巣嚢胞または腫瘍患者24例を対象に、メソテリン抗体の有無を調べるとともに、この抗体についてこれら3群と健常女性を比較しました。その結果、卵巣癌患者、原因不明の不妊症女性、早期閉経または排卵障害による不妊女性におけるメソテリン抗体レベルは有意に高い結果でした。子宮内膜症による不妊女性、健常女性、良性の卵巣癌患者では抗体レベルは有意に高くありませんでした。

今後、抗体をもつ女性で卵巣癌が発症するのか、この抗体が不妊に関連しているのかなど、さらなる検討を要するでしょう。


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