本文へジャンプ

NSAID使用による卵巣および子宮体がんのリスク低下認められず

慢性的な炎症が卵巣がんと子宮体がんの病因に関係している可能性があり,NSAIDの使用によりこれらのがんのリスクが軽減される可能性が示唆されてきました。

米南カリフォルニア大学のグループは、非ステロイド抗炎症薬(NSAID)の使用によって卵巣がんおよび子宮体がんのリスクが低下するというエビデンスは認められないことが論文報告されました(Cancer Epidemiol Biomarkers Prev 2012; 21: 1441-1449.)。

これは非ステロイド抗炎症薬(NSAID)事態が長期的に慢性炎症を起こすことを知らないという致命的な無知によるものです。慢性炎症を抑えれば卵巣がん、子宮がんが減少するのは明らかですが、その方法論が間違っているということです。慢性炎症を抑えるのは当研究所の勧める生活習慣改善に他なりません。

詳細はコチラ

→今回、多民族集団の大規模前向き研究(Multiethnic Cohort Study)の参加者を対象に,NSAIDの使用が卵巣がんと子宮体がんのリスク軽減と関係するかどうかを検討した。

参加者は約6万4,000例(アフリカ系16.5%,日系30.8%,ハワイ先住民7.7%,ヒスパニック系18.9%,白人26%)で,13.3年間の追跡で275例が卵巣がん,620例が子宮体がんを発症した。

解析の結果,アスピリン,非アスピリン系NSAID,アセトアミノフェン使用群の卵巣がんの相対リスク(RR)は0.87,0.97,0.86,子宮体がんのRRは0.93,0.88,0.96で,NSAIDによるリスクの軽減は認められなかった。

この結果に,民族の違いや使用期間の長さによる用量反応性の関係は見られなかった。また,結果はがんの組織学的所見によって異なることはなかった。


■本情報・記事の著作権は全て崎谷研究所に帰属します。許可なく複製及び転載などすることを固く禁じます。無断複製、転載及び配信は損害賠償、著作権法の罰則の対象となります。

ページトップへ